2019年2月20日に衝撃的なメールが届きました。同5月23日より、全ての出品商品に最低でも1%のAmazonポイントを付与するようにAmazonポイントプログラムを変更するというのです!事実上の手数料値上げです。Amazonセラーへの影響と、打つべき一手について考えてみました。
Amazonポイントプログラム変更の概要
そもそもAmazonポイントとは何なのか
Amazonポイントとは
対象商品の買い物時に貯まり、Amazonでのお買い物で1ポイント=1円分として、1ポイントから使うことが出来るポイントです。1ポイントから利用可能なんて、とっても使いやすいですね…。
ちなみに、ポイントを使っての買い物でもポイントを獲得することが可能な為、消費者目線では見た目以上にお得なポイントとなっております。
ポイントの有効期限は、Amazonでの最後のお買い物から丸々一年。日ごろからAmazonを使う人にとっては、実質無期限と考えてよいでしょう。
なお、このプログラムの導入は、大口出品者なら誰でも行うことが出来ます。
Amazonポイントは、出品者負担です。その他のAmazon手数料と併せて売上残高から控除される仕組みになっています。
導入するメリットは?
商品詳細ページへの集客が有利になることが挙げられます。Amazonには、ポイント付与対象商品の絞り込み機能というものがあり、これを使うお客様も一定数いらっしゃるというわけですね。
このソートがかけられた場合、詳細ページを開いてもらえる確率が上がるというわけですね。仮にカート取得者がポイントを付与しておらず、カートを取得していないあなたがポイントを付与していた場合、あなたの商品が見られるわけです。…まあ、ごくごく少数なんですけどね(笑)
あとは、メーカー様から最低価格を申し付けられている場合も、ポイント付与で実質値下げってことが出来ます。
こうして書いてみると、新品商品を扱う場合は色々と恩恵がありそうですね。
今回の変更はどういう内容なの?
今回の変更で、全ての商品に最低でも1%のAmazonポイントを付けることが強制されます。
今までは大口出品者しか使えないプログラムであり、出品者独自の販売戦略だったわけです。他の出品者との差別化を図る為の手段の一つだったんですが、皆さんポイント付与を強制されるので差別化にならなくなります。
変更すると購入頻度の増加が見込まれる?
Amazonさん曰く、「今回の変更でお客様のお買い物体験はより良いものになり、頻度の高いお買い物によって節約が可能になります。Amazonにおけるお客様のお買い物体験の向上と出品者様のさらなるビジネスの伸長のための変更ですよ。」とのこと。
セラーに対しては、「変更をご考慮のうえ、価格を設定いただけますようお願い申し上げます。」と一言入れておりますね。
僕はこれを、「ちゃんと値上げしてね。」という意味だと受け取ったのですが、そうだとすると、頻度の高いお買い物によって節約が可能にならないんで、やっぱり良くわかりませんね…
例えば
①10,000円の商品に1%のポイントが強制で付く。
②出品者は負担が増えた分は値上げするから、10,100円で販売。
③お客様は10,100円で”10,000円の商品と100Amazonポイント”を購入
つまり、1%のAmazonポイントを商品とセット買いさせられているだけなので、お客様は節約にも何にもならないと思うのは僕だけでしょうか?
Amazonさん、キャッシュレス決済の覇権争いにでも乗り出すつもりなのか?んなわきゃない?
変更のスケジュール
2019年5月23日(予定)
この日から、”新規に出品した商品”や”価格を改定した商品”に1%のAmazonポイントが強制付与されます。
2019年6月3日(予定)
Amazonさんがポイントが未設定の商品を抽出します。
抽出された商品は、Amazonポイントの自動付与対象商品となります。
2019年6月6日~2019年6月13日(予定)
自動付与対象商品に対し、順次ポイントが自動付与されていきます。
自動付与に任せていいのか
Amazonポイント分の値上げをする必要があるので、自動付与の前にポイントを付けることになると思います。
自動付与に任せて価格改定をしないでいると、1%の付与は実質1%の値下げですので、自分の商品を勝手に安売りされるのに等しいです。
そうなる前に、自ら価格改定を行い、ポイントを付与するようにしましょう。
Amazonポイントプログラムの変更をセラー目線で考えてみた
出品者にとって販売機会の拡大に繋がるというが
今回の変更は、正直始まってみないと吉と出るか凶と出るか分からないですよね。
Amazonポイントプログラムは、出品者にとって販売機会の拡大に繋がるものとしてAmazonさんは説明していますが、今回の変更はその点でかなり異質なものです。
普通に考えれば、ポイント付与の目的は顧客の囲い込みという事でしょう。顧客囲い込みの為のポイント戦略と考えれば、確かに、出品者にプラスかもしれません。実質の1%値上げといっても、実は売上増に繋がる可能性だって大いに有るわけです。
僕が懸念しているのは、このポイントがAmazonでの買い物以外に使われ始めた場合です。
Amazonさんはポイントを持った顧客を大量に抱えているわけです。キャッシュレス決済の方法としてAmazonペイを売り込む際、これはかなり魅力的ですからね!Amazonでのお買い物以外で使われるようになってしまったら、セラーが負担したポイントは顧客の囲い込みに効果を発しているとは言えないのでは?単に手数料が1%増えたから1%の値上げをしただけという事になりますから。
手数料増・ポイント増・消費税増の三重苦?
2019年は値上げの年になりますよね。絶対なりますよね!
まず、先日の配送料値上げ。次に今回発表されたポイント強制付与。そして、今年控えている消費税の引き上げです。
これらへのアンサーとして、我々セラーが出来る事は値上げだけです。
Amazonのお得感は、2019年かなり薄れるのでは?と思っています。
Amazonポイントを負担するのは誰なのか?
実際には消費者の負担です。
先ほども述べましたが、商品にAmazonポイントをセット販売しているようなものです。
Amazonさんは、「お客様のお買い物体験はより良いものになる」と言っていますが、それは出品者側が1%の負担を完全に自腹を切って捻出した場合の話ですよね。
Amazonセラーは結局どうなるの?
正直なところ、あまり影響ないんじゃないの?と思っています。
1%の値上げが消費者の購買意欲を削ぐマイナス面と、ポイントによる顧客の囲い込み効果というプラス面が有るので、簡単に答えが出るような話でも無く、僕の頭じゃよう分からん!っていう事なんですけど(笑)
いずれにせよ、見守るしかなさそうです。今のところは。
あ、でもね、Amazonさんがキャッシュレス決済に乗り出したら、売上は多少なり下がると思いますね。
Amazonポイントプログラムの変更で割と大騒ぎになってた
独占禁止法?
僕と、「アメリカでこんな発表したら訴訟もんだよなー」なんて笑いながら話してたら、社会的にも割と盛り上がってましたね。ビックリ。
この変更で出品者に利益が出ずに損失が生じた場合は優越的地位の乱用に当たるとかなんとか。
公取委にこんなページ出来てた
これ絶対Amazonさん意識してますよね。
デジタル・プラットフォーマーに関する取引実態や利用状況についての情報提供窓口
おわりに
ひと悶着有りそうな感じですね。
このまますんなり行くと思えません(笑)
続報を待ちましょう!